社員ブログ1月号

こんにちは!立春を過ぎたのにまだまだ寒い日が続きますね。
さて1年ぶりの社員ブログを書かせて頂きます。今日は時折ニュースなどでも良く聞かれるようになった
プラスチックの環境汚染について書かせて頂きます。

 

「現代のプラスティック汚染問題」

近代文明は石油から様々な便利で安価な製品を作り出してきました。安価ゆえに大量に消費され、
そして安易に破棄されるプラスチックもその一つ。
石油ベースのプラスチックの利用は、気候変動問題にも大きく関わっています。
パリ協定に基づき、2050年以降は石油を燃やせない時代に入り、日本政府も2050年までに
カーボンニュートラルを実施すると宣言しました。これまでのように石油ベースのプラスチック製品を
使い捨てにし、焼却処理することは将来できなくなります。


資料引用:NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界

 

今、世界で製造されたプラスチックは83億トンを超えてしまいました。
使用後のプラスチックの再利用はわずか9%。焼却処分されるものは12%
残り約80%(年間約3,000万トン)が適正に処理されずに捨てられています。

資料引用:NHKスペシャル「2030 未来への分岐点」プラスチック汚染の脅威 大量消費社会の限界

 

処分されずに捨てられたプラスチックのうち年間約200万トンが海に流出しています。
ひとたびプラスチックが海に流出すると腐食分解しないプラスチックは、
細かく砕け海流や風に乗って世界中に散らばって行きます。

プラスチックが粉砕され、5ミリメートル以下の微細になったものがマイクロプラスチックです。
海や河川を汚染し、生きものや人体への悪影響も研究で明らかになってきています。
プラスチックは陸上でマイクロ化し、廃棄物処理から漏れてしまった分が雨で洗い流され、
道路の排水口や河川を通じて海に流れ出ています。
また海中でも波にもまれ岩などにぶつかり粉砕されていきます。

 

世界の海では、50兆個以上のプラスチックが世界の海を漂っています。マイクロプラスチックは
食物連鎖を通して生態系全体に広がり、大きなプラスチックから小さいものまで隅々に
行きわたり環境を汚染しています。

 

実はプラスチック製品に使われる添加剤も大変大きな問題となっています。
プラスチック年間生産量4億トンのうち、添加剤が7%を占め、2800万トンが生産されています。
添加剤には紫外線で壊れないようにする「吸収剤」、加工しやすくする「可塑剤」、
燃えにくくする「難燃剤」などが使われています。その中には、環境ホルモンと呼ばれる多くの種類の
化学物質が含まれ、未だに多くが使われているのです。
例えば、長く使われてきた紫外線吸収剤の一つ(UV-P)が身近な商品にも高濃度で含まれています。
お茶やサイダー等の市販ペットボトルのキャップからも検出されました。添加剤の多くは、
油に溶け出しやすく水に溶け出しにくいのでプラスチック中に残留しています。
死んだ海鳥の体内からは多くのマイクロプラスチック片から紫外線吸収剤も見つかっています。

 

プラスチックから添加剤が溶け出しにくく、プラスチックを食べても大丈夫なのではと思われるかも
しれませんが、生物の消化液に含まれる油分に反応して添加剤が溶け出し、化学物質が人間を含めた
生物の体内に溜まってしまう事がわかっています。
さらに、私たちにとってより身近な魚からも添加剤が検出されています。

まず動物プランクトンがマイクロプラスチックを食べ、魚がその動物プランクトンを食べることによって
魚の体内に添加剤が吸収されていきます。その魚を人間が食べ、人体に蓄積されていきます。

 

ここで改めて考えなければならないのが、人体への影響です。
生物の体にとって必須なビタミンや代謝に必要な成分が攻撃されてしまうことで、
免疫力が下がる事やアレルギー、肥満とのつながりがある事など、
人体への影響が問題視されています。

また、海外では、成人男子の精子数が過去40年で半減したという報告があります。イタリアの
研究チームは成人女子の胎盤からマイクロプラスチックを検出し重大な問題として注目を集めました。
(Microplastics revealed in the placentas of unborn babies | Plastics | The Guardian)

これらのマイクロプラスチックは青・赤・オレンジ・ピンクに染色されていたことから、
研究チームは
「パッケージや塗料、化粧品、パーソナルケア用品から放出されたもの」と予測しています。

母体に取り込まれたマイクロプラスチックが胎盤を経由して発達中の胎児に伝達される可能性が
示唆されており、研究者は「重大な懸念がある」と警鐘を鳴らしています。

 

このマイクロプラスチックは、更に細かく0.001~0.1μmに分解され、ナノプラスチックとなり
空中に浮遊し呼吸器に入り込み、また飲料水や様々な食材からも検出されていることを考えると、
今後の人体への悪影響も危惧されている事を私たちは知っておく必要があるでしょう。

今日では、世界中の特に若い世代からプラスチックを使い捨てしない習慣が広がりつつあります。
ペットボトルを止めマイボトルを持ち、レジ袋を貰わずマイバックを持つ、
カフェではプラスチック容器を止めマグカップを使う、プラスチック製ストローは廃止し
紙製やステンレス製のストローへ移行などです。

 

この動きにウォルト・ディズニー・カンパニー、マクドナルド、スターバックスなど多くの企業が
追随してきました。

今や産業廃棄物も燃やさず、捨てず、リサイクル、リユース、リデュースする動きへと移行しつつ
あります。

今一度、あなたの周りの使い捨てプラスチックを出来るだけ無くす努力をしてみませんか?

営業部 S.N